日本人の忘れ物を見つけに…

先日、「能楽堂へ行こう」というワークショップに参加してきました。

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能って、言葉も難しいし、観ても意味わからなさそうだし、
眠くなりそうだし…というイメージありませんか?

というか、私はそんなことを思ってました。

それが、ひょんなことから前の職場で能の講座の
お手伝いをすることになり、その世界に触れてみると、
意外や意外、なかなかおもしろくて、

知れば知るほど面白いものだなと思うようになりまして。

その面白さを伝えてくれたのが、講座の担当をされていた                        宝生流の辰巳満次郎先生。

プレゼンテーション1
(イベントで等身大のパネルになっている辰巳先生)

すっかり、辰巳先生ファンになった私は
辰巳先生の能の公演やイベントに通うようになりまして。

 
今回も先生からお誘いを受け、学生を数名引き連れて参加してきました。

場所は、先生のご実家にある、香里能楽堂。
ワークショップは、

1.能についてのレクチャー 2.基本動作の体験 3.ミニ鑑賞会

の3部構成。

 
まずは「能についてのレクチャー」

 

能って、他の演劇のようにロングラン公演というのをしませんよね。
たいていは一つの演目を1日だけ(一日に2回することはありますが)。

それはなぜ?

ー 一期一会の精神を大切にしているから
能舞台の作りはなぜこうなってるの?

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能舞台と言えば、一番最初に目につくのは、松の絵だと思いますが、
どうして松が描いてあるの?

ー 舞台の壁に描いてある松は、鏡に映る松を表していて、
  能楽師は松を目にして演じているというていで演じています。
  そして、この松は「影向の松」と言い、神仏が現れる時の依代となるもの

客席と舞台の間には幕はありませんよね。代わりに、
演者が出てくるところには幕がありますが、

その幕が意味するものは? 幕の色は5色ですが、それぞれ何を表してるの?

橋がかりの意味って? 客席から見たら柱って邪魔に思えるんだけど、なんで柱があるの?

などなど、それぞれに意味があり、なぜこのようになってきたのかというのを
能にまつわる歴史と合わせ解説してくださいます。

それを聞くだけでも、能の世界の奥深さやおもしろさに触れることができます。
そして、次は、能舞台に立って、能の基本的な動作を習います。

楽屋で足袋に履き替え舞台へ上がります。

が、さて、ここで、問題です。
「足袋は左右どちらの足から履くでしょうか?」

 

 

 

 
-正解は「左」です。

なぜ?

日本には古来から「左方優先」という考えがあるから。

お雛様の飾り方とか、着物の着方とかもここからくるのですよね。
ということで、日本文化についてのお話もいろいろと出てきます。

ちなみに、先生は、足袋を左から履くということを知らない人が多いので、
東京オリンピックまでに、全日本人に「足袋を履くのは左から」
というのを徹底させたいとおっしゃってました(*^^*)

ワークショップから帰ったら、10人にこのことを伝えるように!
とのことでしたので、私もここで伝えておきます。
「足袋は左からですよ」(左方優先)(^^)v

そんな感じで、体験の時にもいろんな説明をしてくださるのですが、

その中で印象的だったのが、

「伝統芸能には日本人の忘れ物がある」

ということば。
作法や行動一つとってもその意味、なぜそうするのかとか、
今も使う言葉の語源が伝統芸能の中に出てくるものから来ている
(例えば、片づける意味の「しまう」は能の「仕舞(しまい)」から)とか、

伝統芸能を知ることで、時代の変遷とともに日常からはなくなってしまった
考えなどを知ることができ、改めて日本の文化について考え直す機会にも
なるんだなと思いましたし、そこに面白さがあるんだろうなと思いました。

私が能について興味を持ちだしたのも、能を通して、日本の歴史とか文化
(その時代の人の考え)を知ったりできるところに面白さを感じたからかもしれません。

そんなふうに伝統芸能を見ると、堅苦しいとか、小難しいというだけでない、
違った見方ができて楽しさも増すんじゃないでしょうか。

まさに百聞は一見に如かず

ぜひ、多くの人にこの楽しさを体験してもらいたいと思います。おすすめです。

 

 

【おまけ1】

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基本動作体験では、なんと、能面をあてさせてもらう体験もできました。

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能面をつけたら実際どんな風に周りが見えるのか。

これもやってみないとわからないことです。

そして、この能面、何百年と使われていて、実際の公演で
能楽師の方が使われているものです。これもまた貴重な体験。

自分がつけた能面が使われる演目を観たくなった

と言う方もいました。

 

 

【おまけ2】                                            先生のお話でもう一つ印象に残ったことば。

能は「引き算の芸術」足していくのはお客さん。

見る人がイメージを膨らませて、どのようにでも楽しめるのが
能の魅力なのだそうです。が、そのことも私たちは知らないから、
能ってわかりにくくて難しいって思ってしまうのかもなと思いました。

 

【おまけ3】
足袋は履くのは左からですが、脱ぐのは右からだそうです。

 

 

能楽師辰巳満次郎師オフィシャルサイト ➡ http://manjiro-nohgaku.com/

 

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