「ら抜き言葉」あれこれ

某大学の授業で「読解」を担当しています。

レベルはCEFRでいうところのB2。

・専門分野の専門的な資料が読める
・専門分野以外の分野の文章も辞書などの力を借りれば読める
・著名な小説家の作品が読める

などを目標にやっています。

で、今週は、最近話題になった

「平成27年度国語に関する世論調査」について。
(特に、ら抜き言葉について)

上級レベルのクラスなので、もともと日本語専攻
という学生が多いクラスではありますが、

日本語専攻の学生でも「ら抜き」について聞くのは初めて
という人が多かったです。

韓国の学生が、大学で使っているテキストに
コラムのように「ら抜き言葉」についての説明があった
と言っていましたが、

他の学生はよく知らないということでした。

授業では、まずは新聞記事(朝日を使いました)を読んで、
内容確認をしながら、「ら抜き言葉」の使用状況の移り変わり、
人々の意識や、専門家たちが言っていることなどを読み、

「ら抜き」についていろいろ話しました。

学生はみな国で日本語を勉強してきているので、
授業で習ったときには「ら」の入った形で習っていて、

場合によっては、「ら抜きは認めない」という考えの
先生に習っている可能性もあります。

でも、日本に来たら、普段接する日本人の学生は
よく「ら抜き言葉」でしゃべっている。

それについてどう思うのかなと思って、聞いてみたところ、

・省略できるならその方が楽でいい
・見たり聞いたりしたときに可能の意味だとすぐ判断できるのでいい
・LINEなどでは使うようになったけど、宿題や作文では「ら」を
 入れるように意識している
・教科書で「ら」ありで習ったので、「ら抜き」にはしたくない

なんて言ってました。

中には、日本人の学生と話すときに、「ら」を入れた形で話したら、
日本人の学生に言ったことを理解してもらえなくて嫌な感じがした

という学生も。

第20期国語審議会の「新しい時代に応じた国語施策について」では、

「共通語においては改まった場での「ら抜き言葉」の使用は
現時点では認知しかねるとすべきであろう」

と書かれてますが、

北陸から中部にかけての地域及び北海道など,従来「ら抜き言葉」を
多く使う地域があるといった地域差の問題を考慮する必要があること

という文章もあり、これらの文章も読んで、学生とは一緒に
考えたかったんですが、

今回はそこまではできず。

次回、この文章を読み、さらにもう少し詳しく書かれた論文を
読もうと思っています。

◆◆◆

ちなみに私は出身が愛知(中部地方)なので、もともと方言として(?)
子どものころから普通に使っていたので、話し言葉で「ら抜き」になるのは
全く抵抗ありません。

日本語教育に携わるようになって、意識して「ら」を
入れるようになり、自然と使えるようになりましたが、
最初は「ら」を入れてしゃべるのに違和感があったほどです。

書くときはちゃんと「ら」を入れて書いていたので、
自分の中では、「話し言葉」と「書き言葉」の違いという
感覚で使い分けていたんだと思います。

第20期国語審議会の見解が出たのが、ちょうど大学の一回生のときで、
国語学の授業で、これについてどう思うか?なんてことを話題に
話し合ったり、自分の意見を言ったりということをしていたので、

「ら抜き」にはいろいろ思うところがあり、単純に「ら抜き」は
いかんというのは違うよなと思っています。

時代も変わって、目くじら立てる人も減ってきているとは思いますが。

国語審議会ではこの調査結果を受けて、何か話し合われるのでしょうか。
この先どんな扱いになるのか気になるところです。

広告